奇跡の甲州ワイン(とにかくおいしいんです!)
お漬け物にも合ってしまう甲州ワインの凄さ。
先日ブログを書いた後、何人かに尋ねられました。
「あのワイン、何だったの?」
そう仙川に素敵なワインショップができたという記事(こちら)に出てきたワインです。
しばらく秘密にしていたのですが、明かしちゃいましょう。
旭洋酒さんが作っている「千野甲州2010」でした。
ご存じのようにKAYS、10年以上前から日本のワインが物凄い勢いで進化していることに驚き、そして、愛飲するようになりました。その後、ワインの師匠であるSさんご夫妻に出会い、お二人も国産ワインが大好きと言うことで、色々と教えてもらうことになりました。
高畠や都農、ココ・ファーム・ワイナリーなども師匠に教えてもらい愛飲。しかし、日本のワインの本場ともいえる勝沼だけはダメでした。それには理由があったんです。勝沼では多くのワインが甲州という食用の葡萄をメインに作られています。淡泊で、和食に合うのですが、どうにも香りが無く、味気ない印象がありました。10年以上も前、何度か飲んだのですが、いつも「おいしくないね…」。
元々、質が悪く果実として出荷しない食用葡萄を農家から買い付けて使うことでワイン産業が成り立っていた歴史を持つ日本。勝沼もそうで、それが結局「甲州種=まずいワイン」さらに「国産ワイン=まずいワイン」という図式となり、ワインの発展の足かせのようになっていた部分もあったとか。
ところが、歴史は我々の知らないところで大きく変わっていたんです。
2004年、劇的な出来事が起きます。甲州種、ボルドー大学の富永さんという教授が日本の醸造メーカーと協力して研究した結果、なんと、ソーヴィニヨン・ブランに似た芳香を探し出すことに成功したのです。(富永さん、惜しくもその重大な発表をされて、わずか数年後に亡くなられてしまいました。日本のワイン史、いや、世界のワイン史にも残る偉業を成し遂げられたと思います。)さらに、ワイン作りに関しても、本場に留学された方も増え、葡萄の栽培から手がけるワイナリーが増えました。
おかげで現在、勝沼を中心として生まれる甲州種のワインは劇的に美味しくなったというわけです。
その中でもKAYSが大好きなとびきりのワインがあります。どちらもS師匠に教わったワイン。それが、写真の2つなのです。
一つは旭洋酒の「千野甲州」。もう一つが勝沼醸造の「アルガブランカ・イセハラ」。
こちらが「千野甲州」。旭洋酒さんのワインです。
「千野甲州」は樽の香りが素晴らしく、まるでシャルドネのような雰囲気。それでいながら甲州独特の繊細さを併せ持ち、チーズを中心とした洋のものにも合えば、鍋などの和食にも合うのです。もう、これは奇跡的としか言いようのない味わい。
「アルガブランカ・イセハラ」のエチケット(ラベル)は独特のデザインです。
一方、「アルガブランカ・イセハラ」は青リンゴのような、ソーヴィニヨン・ブラン系の香りが高く、香りだけでも十分楽しめますが、一方、味わいも繊細さをあわせもち、こちらは海老の天ぷらなどにも合いますし、もちろん、洋のもの、たとえば豚のロースソテーなどにも合います。こちらは上記の研究発表以前の2001年に、伊勢原地区の単一畑で穫れた葡萄のみで作ったワインが高い香りを持つことを発見、そこから商品化されたワインです。
この2本だけでも、日本のワインを味わう最高のひとときが得らるんじゃないでしょうか。ただ、手に入りにくいということはありますし、ここに書いちゃうとまた、益々手に入りにくくなるかもしれません…なんて、このブログは読んでくださる方はそんなに多くないので、大丈夫だとは思いますが…(笑)。
いいものはいい!と紹介したくなるKAYS。やっぱり秘密にはできませんでしたネ。
ちなみに「千野甲州」はカルタ・デイ・ヴィーニのご主人によると、畑の面積が増えているそうで、収穫量も増加。生産も今後は増えそうだと言うことです。良かった良かった!
昔、甲州種を飲んで日本のワインは美味しくないと思ったアナタ、すでに時代は過去のものになっているのです。ぜひぜひ、「現在の」美味しい甲州種ワインを飲んでみてください!
KAYSのホームページはこちら http://kays1998.web.fc2.com/
こちらはカルタ・デイ・ヴィーニの松本さんが
田辺由美さんと共著された本です。
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