KAYS 音楽
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フルートを40年ぶりに吹いてみたら…

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新たに購入したフルート。
あこがれのリングキーです!


KAY2、実は中学・高校時代は吹奏楽に夢中でした。

中学から始めたフルート、ほとんど独学なのですが(NHKの教育テレビで学んだクチです…、そういう意味では我が師匠は、吉田雅夫、三村園子、野口龍、そしてテレビではないのですが、あるきっかけでランパル…!と、そうそうたるメンバー。なんて贅沢!!!)、高校時代は、それこそ、寝食を忘れて練習にふけりました。

しかし、才能のかけらもないKAY2、悲しいことにさほど腕は上達せず、大学進学とともに、ほとんど吹くことはなくなりました。

その後、年に1度くらい、たまぁに、ケースから出して音を出してみるのですが、すっかりと鈍った口の形に衰えた腹筋…、そして、動かない指。悲しいかな、さらにヒドイ音しか出ずに、ずっとお蔵入りでした。

それが、老後を見据えた時に、フルートを再び吹きたいという想いが次第に募ってきていたのです。

そんなある日、調布市の広報紙に、「フルート講座」の文字が!

市内にある桐朋学園芸術短期大学が「ウィークエンドカレッジ講座」と称して、市民に向けての音楽講座を開催しています。そして、そこに、フルートの初級講座があったのです。講師は准教授の永井由比さん。

初心者、もしくは、基本を確認したい人向け。90分で8人のグループレッスン。受講料も、全6回のコースで12,000円と、格安です。

これはぴったりじゃないですか!

というわけで、申し込みをして待つことしばし。やがて、受講決定通知を受け取ります。嬉しかったですねぇ!

桐朋学園は我が家から歩いてすぐそば!

仙川に住んでいて良かった!

あれっ?フルート、どうしよう!?

実は中学・高校で使っていたフルートはもうボロボロ。甲子園の応援に何度かかり出され、炎天下で本体が弓なりに曲がってしまったまま(その当時の楽器って炎天下の熱で曲がったんです…!)。

その後妹から借り受けたフルートもあるのですが、こちらも相当年月が経っているので、全体の調整が必要。ところが、調べてみると、その、メーカーによる調整、新品を購入するのと同じくらいの料金がかかるのです。

そうなると…。

そう、新たに購入した方が早い!

ということで、昔から憧れていた、フレンチスタイル(リングキー)のフルートを購入。初心者向けという位置づけの機種にしましたが、それでも結構なお値段で、10万円ほどします。普通は老後の楽しみにということであれば、退職金でも注ぎ込んで、もっと高い値段のフルートを買うのでしょうが、なにせ、40年ぶり。音が出るかどうかもアヤシく…。というわけで、選んだ機種はヤマハのYFL-372というオフセット式のリングキータイプ。フレンチスタイルが憧れ…と言いながら、キーの配列はインラインでなく、オフセットというのは、Eメカニズムが欲しかったゆえの「己の弱さ」です…(笑)。(一般のみなさんにはちんぷんかんぷんな専門用語ばかりでごめんなさい)

いつか、ムラマツあたりの総銀製のフルートを購入したいものです。

宝くじが当たれば、総金製もいいなぁ…。(ムリムリ…)

そうそう、今回の購入機種、今どきはインドネシアで作っているんですねぇ。これも時代の変化を感じて驚きました。

待ち遠しくて、届くまで、吹いている自分を夢にも見てしまうほど!

それだけ、ワクワクでした。

届いたフルート、はやる気持ちを抑えて、梱包を解き、そして、組み立てます。

そして、最初に低い「ソ」の音を出してみようとすると…。

あれ?

息の音しか出ないぞ。

続いて、「ミ」…。

あれ、これも出ない!

焦ります。

壊れている?まさか。

今度は高い「ド」の音を。

ああ、出た!

しばらくいじってみて気づきます。

フレンチスタイルというのはリングキーとも言い、文字通り、キーに穴が開いているタイプ。これ、相当にしっかりと指で塞がないと、息が漏れるんですね。それで最初に音が出なかったことがわかります。塞いでいるようで、実は少し隙間があったんです。しかも、KAY2は指が細い!

これ、結構慣れるのに時間がかかりそうです。自分ではしっかりと塞いでいるつもりでも、やっぱり、十分に塞ぎきっていない!

毎回、フルートを組み立てて最初に音を出そうとすると、必ず失敗!

いやはや、やっぱり受講に先立って早めに購入しておいて良かった!いや、それでも、間に合うやら!?

そんなこんなで、受講のスタートまで、マンションの防音室を借りて練習に励みます。

4月下旬から、40年ぶりに「フルートのおけいこ」、どうなりますやら!




カーペンターズのMr. Guder、リミックス発見!

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なんと、この曲がリミックスされていたとは!


このブログで何度か触れていますが、KAY2、子供の頃から洋楽が好きで、中でもカーペンターズ(The Carpenters)というグループにはかなりのめりこみました。兄(リチャード・カーペンター)と妹(カレン・カーペンター)のデュオグループです。

全部のアルバムを持っていることはもちろん、まだ声変わりしていない頃は自分でコーラスを多重録音して(当時LLという機能があり、これを何度も重ねました)彼らのアカペラ曲を再現するなどしたくらいなんです。

その後大人になってからはやや縁遠くなりましたが、今でも、1年に数回は、集中して数時間アルバムを聞きつづける機会があります。

そのカーペンターズ、いくつかの曲はリマスターやリミックスがされています。兄のリチャード・カーペンターは完璧主義者として知られていますが、デビュー当時、彼らの所属していたA&Mレコードの録音は非常に音質が悪いものでした。録音の設備や技術者などが良くなかったのかもしれません。

リチャードもそれがきっと悔しかったのかもしれません。80年代から積極的にリマスターやリミックスを彼自身が始めます。彼らの録音が当初からマルチトラックで録られていたことが幸いします。若くして亡くなってしまったカレンの声はそのままに(リマスターで輝きが増していますが)、その他の楽器に関しては録音を取り直したりしているのです。

そのおかげで、古い1960年代末の録音でも、まるで最新録音のように、心地よく聞くことができます。その一つの成果であるSACDの録音については、KAYSのホームページでも取り上げました(こちら)。最近はハイレゾでアルバムが発売されていますが、こちらも、リミックスでずいぶん心地よい録音に仕上がっています。

でもね、そんな自分も知らなかったリミックスが存在したとは…。うかつでした。

きっかけは、先日、ここに書いたSpotify。

カーペンターズのプレイリストを見つけ、聞いていたら、画面に表示されたタイトルに釘付けに。

「Mr. Guder - 1991 Remix」。

えっ?あの曲が?

プレイリストによると、「Carpenters Gold 35th Anniversary Edition」というアルバムに収録されていることがわかります。

「Mr. Gurder(ミスター・グーダー)」というのは、彼らの2番目のアルバムに含まれていた初期のオリジナル曲。シングルとしてはB面扱いだったので知らない方は多いでしょうが、ある種、風刺のような珍しい歌詞の曲です。曲の構成もなかなかドラマチックで、リチャードの作曲の才能、そして編曲の才能が遺憾なく発揮されています。そして、イントロなどでフルートが大活躍。フルート吹きでもあるKAY2は大好きな曲でした。

そうそう、カーペンターズのファンの方で、各楽曲を紹介してくださっているサイトがあります。ファンの方はぜひ、訪れてみてはいかがでしょう。「The Carpenters - Carpenters.exblog.jp」という個人の素敵なブログです。そこにもこの曲の説明がありました。

でも、録音はあまりよろしくありませんでした。たとえば冒頭で響くトライアングル、歪みと思えるような音の響きもありました。フルートの演奏そのものも、ちょっとかすれたような響きで、ジャズっぽい感じで味わいはありますが、もう少し録音が良ければ…と思っていました。

その大好きな曲、1991年と、発表から20年以上たってのリミックス、どうなっているのか興味津々。もちろん、オリジナルをよりきれいに聞かせたいという姿勢のリチャードですから、楽譜やメロディの変更はなく、音質だけをきれいにしてくれているのだろうと、期待を持って、リストから選んで再生してみると…。

おおおおお!まさに、期待通り!いや、それ以上かも…。

冒頭のトライアングル、1打目から驚きます。

きれい!

そして、フルートが始まると…。

おお、音に深みが出た!

いや、それだけじゃない、演奏スタイルも少し変わった!綺麗なビブラートが多用されている!

そう、音質だけでなく、演奏そのものも、音を響かせるスタイルに変わっていたのです。そっか、これがリチャードが当時、夢見ていた理想なんだ!

納得。

というわけで3分21秒。最後まで、心地よく響きを聞き、そして改めて思います。やっぱりいい曲じゃないか!

こうなると、もう1曲、ぜひリミックスして欲しい曲があります。彼らの最初のアルバムに含まれている「Someday」。これ、メロディーラインが美しく、カレンの歌唱も素晴らしい。そして、フルオーケストラがバックの、壮大な曲でKAY2は大好きです。ただ、一番盛り上がる終結部のオーケストラ、音量調整の失敗と思われ、激しくひずみ、壮大なノイズの固まりとなっているのです。今から考えると、そもそもこれが商品化されているという事実に驚きますが、様々なオトナの事情があったのでしょう。そして、その後、時間を経ても、おそらく技術的&予算的にリミックスしにくいことも。

だから、これだけの名曲にも関わらず、いまだにコンピレーションアルバムに収録されていないんでしょうね。かつて、メドレーとして一度だけ収録されたことがあります。カレンがすごく喜んでいたとライナーノーツに書かれていたことを覚えています。

実はKAY2、若い頃、仕事の関係で、リチャードと直接会う機会をすんでの差で逃してしまったことがあります。もし、会っていたらこのリミックスの希望をぜひ伝えたいと思っていたのですが…。

今でもあきらめていません…。いつの日か、リミックスして欲しいものです。

最後にこのアルバムのCDに興味をお持ちの方に一言だけご注意を。

「Carpenters Gold」と名前がついているアルバムですが、内容の異なるものが複数存在します。このリミックスが入っているのは「Carpenters Gold 35th Anniversary Edition」という記念盤の方ですので、ご注意を。もっとも、CDを買わずとも前述のようにSpotifyで簡単にいくらでも聞くことが出来ますが…。





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オペラのお勉強は「へー!」の連続。



この項、KAY2がいかにオペラを知らないのかがわかる文章ですが…あえて恥を忍んで…。

少し前の話です。

クラシックソムリエ検定を受けるために、オペラの本を1冊、ノートにメモしながら読んでいたKAY2。クラシックは大好きなのに、なぜかオペラだけは苦手なので、仕方なく…のお勉強です。前回シルバークラスを受験して、惜しいところで合格を逃した(と自分で思っているだけ)のもすべてオペラの問題を間違えたから…。この教訓は苦いものです。

勉強方法は簡単で、「一冊でわかるオペラガイド―130選 観て、聴いて、五感で楽しむ魅惑の舞台」という本を読みながら、5行の簡単なメモを作っていきます。

1行目はタイトルと作曲年、初演年。
2行目は音楽史でのその作品の意義づけとトリビア的話題。
3行目には主な登場人物の名前と役割
4行目には簡単なストーリーと代表曲
と言う具合。しかもメモも、パソコンでテキストファイルにして打っていきます。簡単でしょ?

例えば、

1.リゴレット(1850ー51年作曲、1851年初演)
2.バリトンの歌う「醜い道化師」という設定はイタリアオペラでは珍しい
3.リゴレット(宮廷道化師)、ジルダ(その娘)、マントヴァ公爵(好色な領主)
4.娘が好色な公爵に恋をしたため、リゴレットは殺し屋に公爵殺害を依頼したが、娘が身代わりになってしまう。
  代表曲:「女心の歌」(三大テノールの十八番)、「慕わしい人の名は」


それにしてもインターネット時代のありがたさを感じます。

1、内容を読みながら、Youtubeなどで実際の曲を聴くことができます。

2、もっと深く知りたいと思ったらネットでさらに情報を求められます。たとえば、「アルジェのイタリア女」というオペラを調べていて、「トルコ太守」という言葉が出てくると当時の世界情勢を調べてみたりします。すると、トルコ艦隊の前線基地だったアルジェの街が、トルコの勢力が衰えていたため、この作曲の頃には落ちぶれてきていたことなどなど、なぁるほど、だから愛国精神溢れ、かつてトルコに苦い思いをさせられたイタリア人としては、こうしたトルコをコケにした作品を書いているわけね…ふむふむ…という具合に、学生時代は世界史が赤点同然だったKAY2も詳しい時代背景がすぐにわかります。(ここに書いた事もKAY2の勝手な思い込みの、めちゃくちゃな理解ですが…)

という風に、自学自習も便利になりましたね。

ところで、勉強していて、幾つか面白いことを知りました。ちょっとだけご紹介。

ピンポンパン体操って覚えています?子供番組で「ピンポンパン」ってあったじゃないですか。同じ名称がプッチーニの「トゥーランドット」に出てくるんですね。狂言回しの3人、ピン、ポン、パン。ネットで色々と調べてみましたが、体操との関連についてはよくわかりませんでした。でも、偶然の一致にしては…。ですよねぇ。(笑)

で、オペラって、上記メモに1行で簡単なストーリーを書くとすると、結構同じようになっちゃうんですよ。特にある時代のイタリアオペラは。つまり、許されぬ恋愛があり、実の親子で諍いが置き、最後は全員死んでしまう悲劇…なぁんて感じで、したがって、1行ストーリーを書くと、どれがどれだかわからない!(笑)「道化師」なんて「旅芸人の座長が妻の浮気に怒り妻とその相手を殺す」って、わずか23文字(笑)。もちろん、もっと複雑な感情を描いた人間ドラマなんですけどね…。

そんななかでいつのまにか頭の中に出来上がっていたKAYSの古くさいオペラの概念を覆すほど斬新だったのは「ラ・ボエーム」。貧しく若い4人の男性に女性2人。そこに広げられる恋愛はまるで山田太一ドラマのよう…。永遠の名作「ふぞろいの林檎たち」を思わず思い浮かべてしまったKAY2であります。(話、ぜんぜん違うやん、人数も違うし…というツッコミはご遠慮下さいネ)(^^;)

でも、ラ・ボエームの登場人物の一人はお針子さんってストーリー解説に書いてあるけど、「お針子さん」って今でも言うの?うーん、いまなら「裁縫業の方」とでも言うのでしょうか…。そんな時代感もまたオペラ学習についてまわるのが素敵だったりします。(笑)

と、この文章、1年以上前に書いてほったらかしにしていたら、昨日、新聞である人のプロフィールに「母親はお針子さん…」という説明が出てきました。えっ?今でも使うんだ!(ただし過去の事を言及しているから…かもしれません) 

新たな発見でした。いつも「ものを知らない」KAY2です。






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名曲探偵、その後 ~ 発見の日々



KAYS、文章を書いておきながら、そのまま掲載するのを忘れてしまったもの、結構あります。しかし…、この文章、もともと4年前に書いており、それをそのままほったらかし…。2年ほど前に思い出して掲載しようと加筆し、また、そのまま忘れて…。

というわけですっかり時代遅れの文章ですが、よろしければどうぞ。

それにしても、「名曲探偵~アマデウス」、また視たいなぁ…。


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気になるんです…音型が。

このブログで以前とりあげたNHKの「名曲探偵~アマデウス」。その後、放送が終了してずいぶん経ちます。放送がなくなったのは残念ですが、番組からはもの凄い影響を受けたKAYSです。実際に思わぬ効果が出ています。日々の音楽とのおつきあいにです。

以前にもお話ししたように、クラシック大好き中年のKAYS、音楽理論は全くわかりません。ただ単に耳に心地よくて聞いていただけ。ところが、名曲探偵をきっかけに、いままで全然知らなかったことを日々大発見なのです!でも、多分、他のクラシックファンの皆さんなら「そんなの常識!」と言われることばかりですが…。というのも…、

これもこの欄でとりあげた「都民芸術フェスティバル・オーケストラ・シリーズ」。1800円で都内のプロオケの演奏を聴けるというありがたい東京都のイベントです。今年(注:2012年)はN響、読響、新日フィルの3つの演奏会に行ってきました。

で、名曲探偵効果。名曲を前にすると、条件反射的に気になるんです…、「音型」(笑)。

しかも悪いことに(笑)N響の曲目にチャイコフスキーの交響曲第5番ホ短調作品64(…と正式には書くんです…作品番号まで書くと小難しさが沸騰ですねぇ…(爆))が。これって、「運命動機」と呼ばれるテーマが全曲を通して、そこかしこに現れるという曲。一つのテーマが何度も何度も繰り返し繰り返し現れることで有名なベートーヴェンの交響曲第5番ハ短調「運命」的な、とても「しつこい」曲なんです。音型そのものはベートーヴェンの運命のテーマとは異なりますが…。

で、この曲の運命動機の使われ方、今までは話としては知っていて、第1楽章で展開。さらに、第2楽章や第3楽章の最後の方に出てきて、最後の第4楽章ではさらに盛大に展開するというのはどうにかわかっていました。で、演奏会でも何度も何度も聞き、また手持ちのCDも数種類…という好きな曲ですが、やはり名曲探偵さんのおかげでしょうか…、今回のコンサート、聞いていて「お、これって、運命動機の変形?」「あ、ここにも」「え、こんなところにも…」と、いままで気付かなかった場所に発見し始めるのですよぉ。そうなると、おもしろい!40分程度の演奏時間が短い短い!おかげですやすやと眠ることなくあっという間に曲終了。

中でも第3楽章。ワルツを用いた珍しい楽章ですが、この優雅なメロディ、頭の4小節、特に3小節目のメロディのもって行き方。あ、やっぱり運命動機に酷似している…と気付きます(ま、この辺はうがちすぎかもしれませんが)。名曲探偵効果ですねぇ。そしてこれはとても有名な部分ですが、この楽章の最後のほうになって「運命動機」がクラリネットとファゴットによって、ほぼそのままの形で一瞬姿を現します。まるで、今まで隠れんぼしていて、最後に「ほらね、ぼくはここにいたんだよ!気づかなかったでしょ」って感じで舌を出しているような雰囲気です。

ほぉお、そうなっていたのか!ダイレクトに姿を現す前に、実は、第3楽章全体も運命動機の展開だったのか。だからこそ最後の「チラっ」がさらに効果を出す!

と感動したのですが、極めつけが…。

第4楽章。後半、ぐーっと盛り上がります。木管が、金管が吠える、弦がいななく…打楽器が…そして、クライマックス!やった!拍手!と思うその直前、その最後の最後になって…一番最後にだめ押しのように全オケで「ダ・ダ・ダ・ダン!」。

あ、これはベートーヴェンの「運命」音型の変形!なぁんと、なぁんと、最後の最後に出てきたんですよ。いままで人生で何度も聞いていたはずのこの曲。べートーヴェンの運命動機もちゃんと最後に提示されていたとは!気付かなかったなぁ(これもうがちすぎ???)。

そして、チャイコフスキーのあまりの巧みな演出に全身の力が抜けました。

そうなんですね。この曲はチャイコフスキーにとってベートーヴェンに捧げるオマージュだったのかもしれません(と、勝手な想像ですが)。彼独特のメロディーで運命動機を次々に重ね、巨大な構築物を作り上げますが、その最後になって、実はその土台にベートーヴェンの運命がちゃんと支えているという構造でしょうか…。それに、交響曲の番号も「第5番」、運命と一緒。

いやぁ、これは凄い!(伝えられるところによると、チャイコフスキー自身は当初この曲を気に入らなかったそうです。というのも作り込みすぎちゃって、音楽としては不誠実になっちゃったと思っていたそうです)

と思っていたら、同じ時に演奏された曲、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」。この日はピアノの岡田博美さんが名演を聞かせてくれました。この曲では、ふと、途中で、同じラフマニノフが書いた交響曲第2番と同じ装飾的な音型が出てくることに気付きました。木管楽器でトレモロのような早い音型で「タタタター、タタタター」と出てくるのですが、これを口ずさんでみると…、「あ、ベートーヴェンの運命の動機リズムだ!」考えてみるとこの曲、最後の審判を表す「怒りの日」のメロディーが出てくることでも知られています。そう考えると、この曲、ロマンチックな第18変奏(これも主題をひっくり返すという大技の変奏ですが)が有名な曲ですが、本質的にはシリアスで重いテーマの曲なのですね。

面白い!

そして後日、新日本フィルハーモニー管弦楽団の日です。この日のメインはブラームスの第1交響曲。こちらもベートーヴェンとの因縁で語られる曲です。いわく、ベートーヴェンの完成された交響曲群の後で作曲するというプレッシャーをブラームスが感じ、完成までに20年以上もかかったとか。こちらも大好きな曲で何度も聞いています。

この交響曲は、非常にわかりやすくベートーヴェンの「運命」の音型があちらこちらで出てくることで有名です。さらに第4楽章ではベートーヴェンの第9交響曲の「歓喜の歌」メロディによく似た旋律も。全体がベートーヴェンへの賛歌という人もいます。

でも、新たな発見あり。

運命の音型をあちらこちらに確認しながら音楽を楽しんでいました。そして、そして、歴史は繰り返す(大げさな!)。

第4楽章、後半、ぐーっと盛り上がります。木管が、金管が吠える、弦がいななく…打楽器が…そして、クライマックス!やった!拍手!と、その最後の最後になって、一番最後にだめ押しのように「ジャン、 ジャン、 ジャン、 ジャーーーーーーーーン!」。

ああああああ、これもベートーヴェンの運命の動機だったんだ!音そのものは伸びて、同じ音程の4分音符が各小節に一つ、そして最後が全音符。だから気付かなかったけど、そっかー!(もっとも4分音符、その前の小節のもカウントすれば一つ余計ですが、それは直前のメロディーに付属すると考えることもできます)

<写真~ブラームススコア>

おそらく、賢明な音楽ファンの皆様は「そんなこと常識だよ。KAY2君、君は今までそんなことも知らないでクラシックが好きって言っていたの?」と笑われちゃうでしょうけれど、KAY2にとっては一大事。すごい大発見だったんです。だって、誰にも教わらずにはじめて「自分一人で」わかったということですから。

そして、演奏会からの帰り道、KAYSの二人の会話はいつになく弾みます。

「ね、第2楽章のこの部分、ここにもこの動機が出てきたよね。」
「おーーーすごいすごい。ホントだ。でも、第2楽章の終わりの部分はこう。ほら、これも動機!」
「おー、考えてもみなかった。すごいすごい!じゃさ、第三楽章は…」

てな具合に話はつきません。

というわけで名曲探偵効果、絶大です。

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と、ここまで書いて掲載するのを忘れていました。名曲探偵が放送を終了した後、今度は「ららら♪クラシック」という番組が放送されています。こちらはぐっと、初級向けという感じでの内容ですが、それでも侮れません。上記、ブラームスの交響曲第1番に関しては生涯にわたり敬愛していたクララ・シューマンとの関わりを指摘していた回がありました。第4楽章のクララの誕生日に宛てたテーマはあまりにも有名ですが、それ以外に実はClara(クラーラ)=「タタータ」という名前のリズムに似た音型が何度も何度も出てきます。

これ、番組で初めて知りました。

すると、この交響曲はベートーヴェンへのオマージュとともにクララ・シューマンに捧げた交響曲でもあったんですねぇ。

というわけで、クラシック音楽、知識が増えると本当に楽しい!

素敵な音楽番組を作り続けてくれるNHKに感謝です。


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歳のせいかな?第二楽章が好きになってきた…。


昔はこんな家具のようなステレオで聴いていましたね!


KAYSの二人は音楽全般が好きですが、特にクラシックは大好き。

KAY2にとってのきっかけは小学校の時。掃除の時間にかかる音楽を聴き、すっかりと魅せられました。掃除の時間だけでなく、一日中ずっと聞いていたい!と思い、先生に聞いてみることにしました。そのときの担任の先生は産休で、かわりにピアノの上手な美しい若い女性の先生が答えてくださいました。

「先生、この曲なんていうの?」

「KAY2君、こういう音楽が好きなの?これはね、カール・ネッケという人が書いた『クシコスポスト』という曲だよ」
と即答。彼女、音大のピアノ科を出た人です。ピアノ曲としても有名な曲だったので、すぐに答えが出たのでしょう。

さらに
「先生、こういう種類の音楽、テレビであんまり聞かないけど、なんていう種類の音楽?」

「クラシックっていうのよ。いいでしょ?」

そう、これがスタートでした。

ちなみに「クシコスポスト」、Youtubeでオーケストラ版がありました。こんな曲です。



母に頼むと、すぐにレコードを捜して買い求めてくれました。息子への愛情、深いですねぇ…。

そして、聞いたなぁ…。休日は朝起きたときから夜寝るまで…。

その後、同級生のU尾君もクラシックが好きとわかり、彼の家でよく一緒に聞いた風景を懐かしく思い出します。そのU尾君、いまは大企業のエライ人になっているとか。活躍していますねぇ…。

あ、話を戻しますが(相変わらず長い前置きです)、その後大のクラシック好きとなって40数年。

交響曲や協奏曲を中心に聴いてきました。

でも一つ特徴が…。アップテンポで元気のいい曲が好き。まぁ思い返せば、お掃除の時間にぴったりの「クシコスポスト」から始まった趣味ですから…。

でも、ここ数年、大きな変化が出てきたんです。

おそらく、きっかけはいつも我が家のBGMとして流しているイギリスの「Classic FM」(8年前にこちらの記事に書いたように溺愛しています)。

24時間のクラシック専門局。日本の某硬派FMとは違い、気軽にクラシックの名曲をまるでBGMのように楽しめるという放送局です。その時間帯に応じて、ぴったりと合う音楽をかけるので、イギリスの深夜~早朝は静かな曲が多く流れます。

そんな中で、結構、思わず聞き入ってしまう音楽が多いことに気付きます。それも、気付けばみんな第2楽章!



たとえばピアノ協奏曲であれば、ラフマニノフの2番の第2楽章。映画やCMでもお馴染みですよね。ベートーヴェンの第5番「皇帝」、これは第1楽章と第3楽章が有名ですし、KAY2も子供の頃から大好きで聴く時は2楽章を飛ばして(失礼)いたのですが、Classic FMでじっくりと第2楽章を聞いたのがきっかけで、今は大好きな楽章です。モーツアルトなら20番と21番の第2楽章は超有名ですが、実は22番の第2楽章はもう涙が溢れるくらいに感動的。

交響曲ならば…、ブラームスの3番、チャイコフスキーの1番、そして、KAY2が死んだら家族葬でかけて欲しいのがビゼーのハ長調交響曲、この第2楽章は、もう、ただただ幸せすぎて天国にいるみたいな気分に。特にオススメはベルナルト・ハイティンクが指揮するロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のもの。



ということは、このまま年を取ったら、どんどん静かな曲が好きになり、演奏もオーケストラから室内楽へ、そしてソロ、さらには無伴奏とか好きになるんでしょうね…。(笑)

以前、ある友人が放送局に勤めていて、FM放送でクラシック番組を担当していました。かける曲は室内楽ばかり。何で?と尋ねたら冗談交じりか「自分が好きな曲しかかけないもん。僕、年取ったから…。」と言ったのを覚えています。逆に「君は何が好き?」と尋ねられ「オーケストラ!」と話すと「まだ若いね…」と言われたのが印象に残っています。

どんどん静かな音楽が好きになるって…、「老化現象」なんでしょうか?それとも人生の悲喜こもごもを知った「心の成長」ととらえるべきなのか…。うん、ポジティブに後者と考えましょう!

そうそう、クラシックだけじゃないですねぇ。最近になって美空ひばりの「悲しい酒」の良さも、やっとわかるようになりましたし…。





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クラシックソムリエ検定受験記をHPに掲載!


昨年の会場は人見記念講堂でお馴染み、
音楽の聖地ともいえる昭和女子大学でした。



世に検定の数の多いこと多い事。いつの頃からか、日本は検定大国となりました。ま、その多くが趣味でお遊び。実際に試験会場に行かなくともネット上でできる検定なんてのもあります。KAYSのこのブログでも「ぬかるみの世界検定」なんてのにふれたことがあります(ぬぁんとKAY2は全国1位に!)。

でも、昨年夏に受けた検定は結構手強かったです。

タイトルにあるクラシックソムリエ検定。

クラシック音楽の大ファンであり、中学生の頃はフルートも吹いていたので、もしかしたら…と淡い期待で受けた検定。同日に実施された二つのクラスのうち、エントリークラスは楽々という感じでしたが、シルバークラスは完敗でした。

せっかくなので、その記録をKAYSのホームページ、モノインプレッションに書いちゃいました。もしも皆さんご興味があればぜひどうぞ。今年は10月12日に新たに設定されるゴールド・クラスとともに実施される予定です。

受けた印象を簡単に言うと、「難しかったけど楽しかった!また受けよう!」というものです。

シルバークラスは手強いですが、受けてみると自分の弱い分野がとても良くわかります(KAY2の場合はオペラに弱いということが良くわかりました)。しかも、勉強していて楽しい。だって、仕事に直接結びつくわけじゃないし、落ちても、別に収入が落ちるわけじゃない。純粋に自分の楽しみのために試験勉強をする…そんな状況って、普通はないじゃないですか。次回はなるべく沢山のオペラに触れて、ぜひシルバークラス合格を目指し、やがてはゴールドクラス、プラチナクラスと進みたいと、やる気満々で狙っています。そのために勉強になるサイトも見つけています。え、どのサイトかって?ふふふ、秘密…。

というわけで、受験料がある程度はしますが、少しでもクラシック音楽に興味がある方にはお勧めしたい楽しい検定でした。

興味のある方は、KAYSのホームページ、モノ・インプレッション、055番の記事をどうぞ。





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あのUSENがスマホで、パワーアップして安価に!




KAYSのホームページ、モノ・インプレッションに新たな記事を書きました。

実はとてもうれしい出来事があったんです。

なんと我が家にUSENが戻ってきたのです。

以前からの読者の方はご存じの通り、KAYSは1990年代、USEN(有線)の大ファンでした。月額4000円以上という聴取料は家計には痛かったのですが、仕事で必要だったこともあり、契約。1日中かけっぱなしの毎日でした。海外のClassic FM(UK)を知って熱烈なファンになったのもUSENのおかげです。(あとになってKAYSの尊敬する友人のTさん…某人気DJさんです…がやはりUSENユーザーでClassic FMの大ファンになったのだと知りました。偶然にびっくり。結構USEN経由でClassic FMの魅力の虜になった人も多いのでしょうね)

またそのころUSENは社長が代替わりとなり、それまでのあまりよろしくない噂の立つイメージの会社から徐々に変貌を遂げてきていました。いろいろと見えないところで重要な決断もあったと思います。そんな様子を期待を持って眺めていました。

2000年代に入り、住宅ローンの支払いに追われるようになると、苦しい家計から、結局泣く泣く契約を打ち切りました。幸いネットラジオの登場で再びClassic FMが楽しめるようになったのは良かったのですが、あの独特の音楽サービスだけはどうしても他の手段では満足できずにいました。そうそう、一時期「モバHO!」という衛星ラジオサービスが開始され、USENの一部チャンネルが楽しめる時期もあったのですが、モバHO!そのものがあっという間に終了してしまい、残念。

確かにネットでは海外のFMなどでジャンル別の音楽を楽しむことができます。が、細かいシチュエーション別の音楽を網羅したUSEN独特の編成は…これは世界でもまれなサービスではないかと思うんです。だから本当に物足りなく感じていたのですが…。

そこに朗報です。昨年末、USENはスマホ用のアプリを発表し、なんとネット経由でUSENが手軽に楽しめるようになったんです。しかもしかも、月額490円!一桁安い!狂喜乱舞です。最近、情報に疎いKAYS、このことを先月初めて知ったんです。驚きました!

そしてその結果は…

詳しくはKAYSのホームページ、「モノ・インプレッション」の053番記事をご覧ください。

一言だけ言えば、契約しちゃいました。そして、かなり良いです!

それと、なんとなく思ったのですが、これって、携帯オーディオプレーヤーに自分で作るお気に入りのプレイリスト、それを何百種類もあらかじめ作ってくれているような、そんなサービスとも言えますねぇ…。

「スマホでUSEN」の公式サイトはこちらです。
http://smart.usen.com/





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カーペンターズの新SACDでアナログ感覚を味わう




KAY2が小学生の頃から熱烈なカーペンターズファンであることは以前もこのブログに書きました。そして、数年前、そのカーペンターズのSACDを購入し、そのマルチチャンネルの楽しさと音質の美しさに感動したことも…。(こちらこちら

SACDというのは通常のCDと違い、非常に多くの音声情報を含み、CDではカットしている帯域の音声も再生できるフォーマットのメディア形式で、いわゆるハイレゾのハシリのような存在です。

そのカーペンターズのSACD、2005年にアメリカで発売され、大変に評判を呼びました。ポップスにおけるSACDのマルチチャンネル録音としてはトップレベルとの呼び声も高く、カーペンターズファンのみならずオーディオファンの間でも人気が出たのです。日本でも大手CDショップが一時期扱っていたのですが、残念なことにまもなく販売終了。その後中古市場などで1万円以上、場合によっては3万円以上というプレミアのついた高値で取引されていますが、その値段から躊躇された方も多いと思います。

それが、今年になって国内版のSACDが発売されることになりました。楽しみにしていた方も多いのではないかなぁ。

ただ、以前のアメリカ版のSACDと比べて大きな違いがありました。

・マルチトラックではなく、2chのみの収録であること。つまりサラウンドではないのです。

・ハイブリッドではないので、通常のCDプレーヤでは再生できません。SACD対応のプレーヤーでのみ再生できます。

・人気アルバム「シングルス 1969~1973」のリマスターです。ですから、曲数が12と、以前のものに比べずいぶん少なくなっています。


という点から、残念に思われる方もいらっしゃるでしょう。KAY2もまったく別物のSACDという理解であらためて購入することになりました。

ただ、うれしいのは、

・紙ジャケット仕様。紙のボックスの中にオリジナルアルバムを復刻したジャケットが入っています。

・ライナーノーツや帯、そしてシールなど、当時のものを再現しています。


という、懐かしさがあふれる仕様になっています。お値段はちょっと張りました。4286円(税抜)。通常のSACDよりも高価です。

さて、4月23日の発売日、予約していたAMAZONから届きます。箱を開けてみると…。

丈夫な作りの紙製ボックスの中、しっかりと紙ジャケットが入っています。そしてライナーノーツも当時のアメリカ版のものを原文とともに翻訳が掲載してあります。

帯の雰囲気は懐かしいですね!オリジナルのLPレコードからすればずいぶん小さいですが、それでも当時を懐かしんで思い出に浸ることができます。

さて、肝心のSACDの音質です。今回は以前のアメリカ版のようなマルチチャンネルではありません。そうすると、2chのリマスターでカレンの声をどう扱っているかに興味がわきます。以前こちらの記事に書いたように、前回のSACDでは2ch音声は今までと大きく変わることはなかったのですが、マルチトラック音声ではカレンの声のリバーブを少なくし、アナログ時代の音に近づけたことにKAY2はものすごく感激したものです。耳にした途端「あ、懐かしい!中学生の頃に聞いていた音だ!」と。

さて、今回のCD、1曲目がかかり、カレンの声が出た瞬間に再び喜びの声を上げてしまいました。

「うわ、これこれ!やっぱりこの音だ!」

そう、懐かしいアナログ時代の音に近いのです。

カーペンターズはカレンの死後、兄のリチャードが何度も何度もリマスターをやり直しています。CDの時代になってからはその特性を生かし、高音域を強調し、非常に透明感あふれる音質になりました。カレンの声もそうです。リバーブを多めにかけ、カレンのボーカルはややオフ気味に聞こえるようにリマスターしています。今考えるとそれは時代の要請だったかもしれません。

メリハリ、透明感、そして、デジタルならではのクリスプな音質、それを最大限に活かしたリマスターを続けてきたと思うんです。でも、それは元のアナログ時代の音声とはかなり異なる印象を与えていました。それはそれで魅力的なのですが…。

それが前回のSACDマルチチャンネルのリマスター、そして今回のSACD2チャンネル音声では、ある種「原点回帰」的なリマスターを行ったと思えるんです。

アナログ的な音…それはとても温かみのある音です。カレンの声の特質というのはその透明感、つややかさとともに、やや低めの声の「温かさ」にもあると思います。デジタル時代に、その透明感を強調したものの、逆に暖かみが失われかけていたような気がします。その事に対する昔からのファンの気持ちを今回リチャードは意識したのでしょうか。

とにかく聞いていて、カレンのボーカルがとても温かく。人肌のぬくもりが伝わってくるそんな印象です。そう、本当に手を伸ばせば届くような…。距離感がぐっと縮まった感じがします。いや、何より懐かしくて懐かしくて…。そうそう、この音だったんだよ!と思わず友人知人に吹聴したくなる、そんな心躍るうれしさなんです。逆に針音がしないのが不思議で…と思った瞬間に「あ、LPじゃなくてSACDだったんだ!」と思わず錯覚していた自分に気づくくらいに。

おそらくデジタル時代になってからカーペンターズを聞き始めた方には「え?これ、ちょっと音が木訥な感じで、何だか変…」という印象を持たれるかもしれません。でも、これがアナログ時代の音だったんですよ…。とにかく聞いていて聴き疲れしない。耳に、そして脳に優しい音だと思います。

うれしいなぁ…。

聞いていると放課後、学校から戻ってきて自宅のステレオで仲良しだったY先輩と一緒にアルバムを聴いていた、その光景がまざまざと甦ります。そしてそのころの様々な思い出も。

これほど懐かしいリマスターをしてくれたリチャード・カーペンター氏に心から感謝。

というわけでこのところ我が家のSACDプレーヤーはカーペンターズの再生に大忙しです。


追記:
続編のSACD「シングルズ1974-1978」が6月25日に発売される予定だったのですが、しばらく延期となりました。






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大満足!~五線譜に描いた夢 日本近代音楽の150年


オープン前の会場入口です。


もしもあなたがクラシック音楽好きなら…KAYSとしては絶対にオススメの展覧会です。

『五線譜に描いた夢 日本近代音楽の150年』

当初はさほど期待してなかったのです。京王線の車内の広告で見かけ、もともと明治時代など日本の洋楽受容の歴史には興味があったKAY2、以前、仕事で関わったこともあり…。というわけで、ちょっとした興味を持ちました。

で、ある平日、仕事がオフだったので、初台のオペラシティ、アートギャラリーに出かけてきました。うん、確かここに来るのはもう何年も前、明和電機のとき以来だなぁ…。

入口にはほとんど人影がありません。この日、台風が通過した直後ということもあり、オープンが1時間遅れたそうで、そのせいもあったかもしれませんが、それにしては人がいない!これは大丈夫かな…とちょっと不安になります。それでも1000円の入場料を払い、中に入ってみます。

全体が時代ごとの4部構成になっており、最初は幕末から明示にかけての展示となっています。主催団体の一つ、明治学院の始祖ともいえるヘボンの展示から軍楽隊の発祥など、「なるほどね」という展示で、さほど強い印象がなかったのですが…。さらに歩みを進めて明治時代に入ると俄然、引きつけられます。

鹿鳴館のコンサートのプログラム、滝廉太郎、三浦環と、今まで音楽教育で学んだ人たちが出てくると「ほぉ!」という感じで展示物に目が釘付けになります。

が、さらに次の大正時代になると、完全に歩みが止まってしまいます。

何と、当時の録音が聴けるのです。

通常の展示会と決定的に違うのがここです。音楽があればついつい聴いてしまうのです。

「百読は一聴にしかず!」

今まで文字の上で知っていた音楽家の事も実際の録音を聴くと、まるで同時代を生きる音楽家と一緒!「へぇ!」と驚きながらついつい聴いてしまいます。しかも、録音は当時のSP音源ですが、速度、音程などきわめて忠実に復刻した音源なんです。それをヘッドフォンで聴くことができるのです。

久野ひさというピアニストを知っていますか?おそらく中村紘子さんのエッセイで広く知られるようになった悲劇のピアニストです。日本初のピアニストとも言われることのある彼女はベートーヴェンのソナタを得意とし、明治時代には多くの聴衆を惹きつけたのですが、30代後半になって渡欧し、現地で投身自殺をしてしまいます。自分とヨーロッパのあまりの技術の差に絶望した上での自殺と言われているのですが、近年では異論もあるようです。

その彼女の演奏も聴くことができました。そして聴いてみて衝撃を受けます。

そう、予想を良い意味で裏切る、はるかに素晴らしい演奏だったんです。

これは…。

それまでKAY2も信じ込んでいた、ちまた言われる彼女の「日本と本場の技術の差に絶望して…」云々という自殺の理由は違うのではないか…と、思わず考え込んでしまいました。それほどすばらしく迫力のあるベートーヴェンだったんです。

会場での多くの音源がロームミュージックファンデーションの手による復刻音源でした。そのほとんどがCDとして販売もされています。ロームといえば、KAYS的には愛用しているFMトランスミッターのチップでおなじみの半導体メーカー。こんなところでも良い仕事をしているんですねぇ!

会場ではテレビマンユニオンが制作したビデオも流されています。テレビマンユニオンといえば、音楽関係の素晴らしい番組を数々作ってきている制作会社です。さすがに会場で流れる映像も期待を裏切りません。大多数が6~8分程度の長さのドキュメンタリーですが、いずれも秀逸。山田耕筰が近衛秀麿などと共に作った日本交響楽協会を紹介する場面ではバックにベートーヴェンの第5交響曲が流れてきますが、この演奏も素晴らしい。とても、戦前の日本のオケの演奏とは思えない立派な演奏です。こうしてみると、日本の音楽というのは戦前も最前線に立つ人たちは欧米に劣らない素晴らしい演奏を披露していたのではないかと思わせる力があります。むろん、あくまで一部のトップレベルでの演奏であり、大多数はいまだ黎明期だったのかもしれませんが…。

テレビマンユニオンの映像、展示会最後の場所で見ることのできるやや長尺ものも素晴らしかったです!戦後の音楽史を辿る形で様々な出来事をカバーしていましたが、サントリーホールにまつわる話もとても興味深いものでした。

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展示品目録とカラフルな入場券。


また、数多くの作曲家、それも現在活躍中の人も含めた自筆譜を目にすることができるのも、本当に素晴らしい。自筆譜というのはその人の性格が良く出ているように思います。例えば芥川也寸志さんの楽譜にはそのおしゃれで几帳面な人柄(あくまで想像ですが…)がそっくりと楽譜に現れているような気がします。武満徹さんの自筆譜にはその繊細さが…。一時期合唱部にも所属していたKAY2は高田三郎さんの「心の四季」の自筆譜にしばし学生時代を回想して、懐かしい一時も過ごせました。

もう一つ。1970年の万国博覧会。そのイベントに向けて様々な文化活動が行われ、音楽の世界でも様々な実験的試みがなされたことも知りました。一つのイベントが文化を大きく育てる…そんな時代だったんですね。

というわけで、この展覧会、ビデオを見て、音楽を聴いて…となると、全部見るのに相当な時間がかかります。覚悟して行きましょう。KAYSは駆け足で見たつもりですが、それでも2時間以上かかりました。

大満足の展覧会。主催者側の愛情と力のこもった素晴らしいイベントだと思います。ちなみに土曜日にはミニコンサートなども実施されているようです。12月23日までの開催。クラシック音楽好きの方ならきっと新たな発見のある、見応えのあるものだと思います。

KAYSは強くオススメします!


五線譜に描いた夢 ─ 日本近代音楽の150年
  問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
  場所:オペラシティ アートギャラリー (東京・初台)
  会期:2013年10月11日[金]─ 12月23日[月・祝]
  時間:11:00~19:00
  定休:月曜日 (祝日の場合は翌火曜日)
  入場料:一般1,000円/大・高生800円/中・小生600円
   団体割引等、各種割引あり
  場所:京王新線初台駅よりすぐ
  HP:http://www.operacity.jp/ag/exh157/index.html





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らららで田中要次さんのコメントが凄すぎる件…




…、なぁんて、思わせぶりな雰囲気のタイトルですが…。いや、実際に感動してしまいました。何の事かと言うと…、

NHK、Eテレの番組、「らららクラシック」。

N響アワーの後継番組として注目を浴びてから2年目。さらにリニューアルをして、クラシック初心者向けの番組としての位置づけを鮮明にしています。初心者向けとはいえ、侮れないことも多く、KAYSは必ず録画しています。後日書きますが、クラシックソムリエ検定を受けた関係もあり、トリビア的な知識を仕入れるための活用も。

石田衣良さんと加羽沢美濃さんが司会ですが、 もう一人、この番組では毎回クラシック初心者的なゲストが週替わりで出てきます。この番組を通して、そうした初心者ゲストに視聴者とともにクラシックの魅力を味わってもらおうという、番組制作者の意図のようです。

これまでにゲストは何巡かし、春香クリスティーンさん、石野真子さん、森口博子さんなどなど、ほぼ顔ぶれが固まってきつつあるのですが、中でも、この方、田中要次さんが注目株。味のある俳優さんで、とりわけバイプレーヤーとしての魅力が素晴らしい方ですが、番組の中では比較的おとなしく、静かに短いコメントをされます。クラシックは初心者ということからの遠慮でしょうか。

ところが、番組の中で、進行役の加羽沢美濃さんがしばしばピアノを弾き、音楽の細部を解説する時があり、そのときに発するコメントが短いながらも、もの凄すぎるのです。

たとえば、先日放送の「チゴイナーワイゼン」の回。KAYSの世代では「ツィゴイネルワイゼン」とした方が通りがいいサラサーテの名曲です。番組の中でロマ(ジブシー)音階についての説明が加羽沢さんから。Fが#になるとどう雰囲気が変わるのかの説明。通常の短調音階、そしてこの名曲に用いられるロマ音階を演奏。

感想を求められた田中さん、早くも「なんか妖しげな音階ですね」という言葉がキラリ。うん、その通りだよね。KAYSも感じたことを見事に言葉ししてくれています。

で、今度は加羽沢さん、「およげたいやきくん」のメロディを。さらに、それをロマ音階で弾くと…。

「たいやきくん、なんか、良からぬ事を考えているような…」

人々が感じる言葉にできない感覚を素早く、見事に、そして、我々の想像を超えた言葉で説明してしまう。これは本当に凄いです。さらに、

「イヤになっちゃうよと言いながら、ほくそえんでいるような…」

新しいストーリー、世界が生まれてしまっています。田中さん、凄すぎです。

もしかしたら台本にあるのかもしれませんが、でも、きっと田中さんの感性だと思わせる説得力があるんですねぇ…。これからも彼の回がとても楽しみです。

ところで、この番組の中ではサラサーテのコンプレックスとこの曲の関係も取り上げられていました。サラサーテ、実は手が小さかったのだそうです。当時人気だったパガニーニの曲は手の大きさを必要とした作りになっており、そのため彼はうまく弾けず、大変なコンプレックスでした。で、彼は思いつきます。逆に手が大きな人がうまく弾けず、手の小さな自分が得意なことがあるじゃないか…。各弦の高音部は、同じ音階でも、低音域、中音域と違い、抑える部分の幅が小さく、手の大きな人には音階を定めにくく苦手。そこで、高音域を多用した曲作りで逆に成功したのだそうです。

その話のシメにアレンジャー&作曲家として名高い加羽沢さん。実は彼女も手が小さい。そのため、子供の頃は特にピアノで弾けない曲が多くコンプレックスでした。そこで、思い立って自分で弾けるようにアレンジを始めたのだそうです。原曲の雰囲気をいかに壊さないでアレンジするか…。アレンジの高度な技法をそうして身につけたとか。そう、コンプレックスこそが個性で、そしてそれが魅力、パワーになるというのが彼女の言葉です。いい言葉だなぁ…。KAYSなんてコンプレックスが一杯ありすぎるから、これからそれが魅力になる時代がくるのかなぁ…いつになるやら(笑)。でも、一部、「そうそう!」と自分たちの人生を見返して深く頷けることもあります。ま、その話はいずれ。

番組では素晴らしい演奏家による曲演奏が毎回ありますが、今回はバイオリンが竹澤恭子さん。出だしからスケールの大きな演奏に魅入られます。サポートしている東フィルのバトンは「指揮界のルー大柴」と勝手にKAYSが名付けている素晴らしいマエストロ、大植英次さん。贅沢な番組ですねぇ。そして見事な演奏に、KAY1からリクエストが…「この回、永久保存版にしてね!」

もちろん。

最後におまけを一つ。この回でもクラシックソムリエ検定に出そうなトリビアが冒頭にさりげなく。それをKAY2が問題にしてみると…。

Q.主人公が名バイオリン奏者・サラサーテのファンであり、彼のコンサートに出かける場面が登場する。その小説とは?

 1.トーマス・マン 『トーニオ・クレーガー』
 2.アナトール・フランス 『パリのベルジュレ氏』
 3.コナン・ドイル 『赤毛連盟』
 4.ビオ・バローハ 『水車小屋の兄弟』


はい、答えのわかる方。興味のある方はぜひネットで調べてみてください。すぐに見つかるはずですよ。





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